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心理カウンセラーリエコのブログ

毒親母とうまく付き合っていくには?[ココロノマルシェ]

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カウンセラーのリエコです。

今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。

ココロノマルシェとは

根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。 

+++【ご相談】+++++++++++++++++

ガッツリ毒親だと気付いてショック

40歳女性、長女です。

子供の頃から実家での生活に息苦しさを感じ、このままでは自分らしく生きられないと思って大学から一人暮らしをし、30歳で結婚し今に至ります。

最近になって、ものの考え方や対人関係のよくないクセを直して生きやすくしようと思うようになり、その中で生育歴を振り返るようなことをしました。

同居していた祖母、父、母、いずれもの影響を受けている、こういうところが嫌だった、という点が出てきたものの、明らかに攻撃を受けていたということはなく基本的には大切にされていたので、母についてもソフトな毒親という感じの認識でした。

しかし最近になって自分の精神的な部分が自立に向かい落ち着いてくると、母のおかしさが余計に気になるようになりました。

調べていくうちに、母はアダルトチルドレンなのだということに気付きました。

もちろん、私自身もそういうところがあると認識しているので、ああこの人も同じなのかと思いました。でも自分のことはわかりにくいからかもしれませんが、余計に母のACはひどく見えます。

愛されていない、他人より損をしているという警戒心が強く、愛を求めるために過剰に人に尽くしたり良い顔をするのですが内心はストレスを溜め込んでおり、本人には面と向かって言えないので陰で文句を言うことになり、愚痴や嫉妬、不満を聞かされることがほとんどですし、私の事も同様に他の人に言っているのだろうと感じます。
恐れと不安が強い人です。

そしてどうやら私はそのフォローをしながらずっと過ごしてきたみたいで、その面では親と子の立場が逆転していると言われたら、そんなような気がしてきました。
私が母に悩みを打ち明けたりする事はほとんどありません。

この事を意識し始めてから気持ちがどんどん落ちてきました。
あと少しでメンタルブロックを払拭して幸せになれると思っていたところに、ラスボスの登場です。

気持ちが奪われてしまい、日常生活に集中できなくて、ずっと頭の中がドンヨリしたままです。

理由を自分なりに考えてみましたが、整理しきれないしスッキリする方法も浮かびません。
どうしたらいいのかわからなくなり相談させていただきました。

整理できないながらも、モヤモヤしている点を出すと一つは、一気に他責モードになってしまったことです。

今まで自分が考えて選択したと思っていたことも、ただの母親の影響だったと感じ、被害者感と無力感がすごいです。

大きな話は、私が子どもを持ちたいと思えないこと。
この考えは自分の個性なのか問題点なのかずっと悩んでいて、自分の個性だというところに落ち着こうとしていましたが、ここへきて「母のせいだったのか」という気がしてきました。

家の中で誰かに責任を持ち続けるのが嫌、という気持ちがなんとなくあったのですが、その正体がこれだったんだと。

こんな事で夫まで子どものいない人生にしてしまい申し訳ないですし、私は他の人が当たり前に思う事を当たり前に思えないんだという虚しさが母に向かっています。

また、今までの人生で「付き合いづらさを感じた女性」はみんな母に似ていると気付きました。
進んで悩みを聞いたりしていたのも母に似ている友達。
こんなところでも影響を受けていたのかと。

二つ目は、母のこのクセは治らないんだということへのガッカリ感です。

性格が変わると期待していたわけでもないですが、毒親は治りませんという記事を他で読んで改めてショックでした。

これから私が何をやっても良い方には受け取ってもらえないんだろうというガッカリ感、そして少しでも悪く思われないように私は気を遣い続けるのだろう、というめんどくささ、などがあると思います。
子どもの幸せを願う気持ちよりACの部分が勝ってしまい、妬まれそうな気がします。

また、母を幸せにする事はできないんだという無力感もありそうです。

三つ目は自分の言動が母の影響を受けたものだったり、母に似ているものだと思うと、自分のことも批判的に見てしまいます。

「そういう人の顔色を伺うところ、キモい」などと自分に思ってしまいます。

精神的な境界線を引く、が基本方針だということはわかっているのですが、頭と心がバラバラな感じがするのは何なのでしょうか。

不安・恐れなのか、悲しみなのか、何なのだろう。。。

特別な出来事があったわけではなく、私の考え方が変わったから感じた事だとは思います。

連絡を断つなど極端な事をすると会わない間に妄想で嫌悪感を強めてしまいそうでそれは勿体無いですし、日々鬼のように連絡が来る、などはないので、うまく付き合っていきたいというのが希望です。

何かヒントになる事があれば教えていただければ幸いです。

from まーさん

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マーさん、初めまして!

心理カウンセラーのリエコです。

 

今よりも生きやすくなる私になるための自分磨き。

まーさんはとても向上心のある方なんですね!

自分や家族を「俯瞰の視点」で眺め、分析できるまでになるには、相当たくさん勉強されたのではないでしょうか。

でも、知識が増えれば増えるほど、いろいろ見えてきてしまうもの。

それまで見えていなかったことに気づいて、いろいろな想いが押し寄せてしまうこともありますよね。。

 

きっと今、 まーさんは「新しいステージに変わるタイミング」にいるのだと思います。 

自分の「古い体質」に気づき、「新しい自分」になるための過渡期です。

過渡期ですから、自分の中に「古い体質」を見たり、「新しい自分」になりきれてないことに気づいたりして、一喜一憂してしまう。。

それが、今まーさんが感じられている苦しみなのではないかなと思うのです。

 

心理学の言葉に「自分のことは自分では見えない」というものがあります。

その溢れる知識をもってしても、「自分のこと」だけはよく見えないんです。

そこで、まーさんが過渡期を越えていかれますよう、リエコから見える「まーさんの姿」をお伝えしていきたいと思います。

 

        *****

 

まず最初に感じたのは、「まーさんはお母さんのことが大好きなんだな」ということでした。

そしてどうやら私はそのフォローをしながらずっと過ごしてきたみたいで、その面では親と子の立場が逆転していると言われたら、そんなような気がしてきました。

私が母に悩みを打ち明けたりする事はほとんどありません。

お母さんがアダルトチルドレンだったことで、「小さいまーさん」はお母さんを甘えさせてあげる役割を担ってこられたんですね。

自分が無意識にやってきたことが母親の性質によるもので、それが「自分の生きづらさ」につながっていたと気づいたんですもの。今さらどこにもぶつけようがない「悔しい気持ち」や「やるせなさ」が、胸の中でぐるぐるしてしまいますよね。。

それにしても、小さいまーさんはなんて優しい子なんでしょう。

自分だって甘えたかったでしょうに、その気持ちを抑えて、お母さんの気持ちを思いやり、包んであげていたなんて。

それほどまでに、お母さんが大好きだったんですね。

その優しさ、そしてお母さんへの特別な想いは、今もマーさんの中にあるようです。 

これから私が何をやっても良い方には受け取ってもらえないんだろうというガッカリ感、そして少しでも悪く思われないように私は気を遣い続けるのだろう、というめんどくささ、などがあると思います。

また、母を幸せにする事はできないんだという無力感もありそうです。 

気持ちが奪われてしまい、日常生活に集中できなくて、ずっと頭の中がドンヨリしたままです。

連絡を断つなど極端な事をすると会わない間に妄想で嫌悪感を強めてしまいそうでそれは勿体無いですし、日々鬼のように連絡が来る、などはないので、うまく付き合っていきたいというのが希望です。

もしもお母さんを不快に感じるなら、「考え方が違うんだな」と思って距離を置けばいいと思うのです。

それでもまーさんは、お母さんと距離を置くことをせず、かなり苦慮されているようです。

心理的距離がとても近いのでしょうね。

だから、まーさんはお母さんを通して「自分」をみてしまうのかもしれません。

自分が「こんな風に変わりたい」というビジョンがあったとして、そこに届かない部分をお母さんの中に見つけたとき、「自分を責める」ように「お母さんを責めて」しまうんです。

自分を許せていないんですね。

 

 

さらに言うと、

今まで自分が考えて選択したと思っていたことも、ただの母親の影響だったと感じ、被害者感と無力感がすごいです。 

私が子どもを持ちたいと思えないこと(略)ここへきて「母のせいだったのか」という気がしてきました。

こんな事で夫まで子どものいない人生にしてしまい申し訳ないですし、私は他の人が当たり前に思う事を当たり前に思えないんだという虚しさが母に向かっています。

他責モードになってしまう。。

この部分を読んで、「お母さんを責めている自分」に気づき、認めることができるって、まーさんは本当に素直な方なんだなぁと思ってしまったのですけれど!

おっしゃる通り、お母さんの影響はあったにしても、その時々で道を選んできたのは、まーさんご自身なんですよね。。

それを「全部お母さんのせい!」としてしまうのは、まーさんがまだ「子供のポジション」にいることをあらわしているようにも見えます。

 

そこで、「大人同士の関係」にシフトチェンジして、改めてこの問題をみてみませんか?

現在のまーさんが「まーさんと同年齢のお母さん」に会いに行くイメージです。

 

40歳のお母さん。

きっと「小さいまーさん」を育てている頃ですね。

そして、まーさんと同じように生きづらさを感じていたかもしれません。

それでも、自分のことを振り返る余裕もなく、小さいまーさんを愛し守っていたのかもしれませんね、お母さんのやり方で。

間違えがあったかもしれないけど、その時のお母さんの精一杯をやって育ててくれたに違いありません。

それが伝わるから、小さいまーさんはお母さんの想いに応えてきたんですよね、きっと。

当時のお母さんを眺めてみて、まーさんはどのように感じるでしょうか?

 

 

二つ目は、母のこのクセは治らないんだということへのガッカリ感です。
性格が変わると期待していたわけでもないですが、毒親は治りませんという記事を他で読んで改めてショックでした。

人は変われます。

まーさんだって、変わろうとしていますよね?

ただ、人は「自分以外の人」を変えることはできません。

まーさんがお母さんを変えることができない、という意味では「毒親は治りません」と言えるかもしれません。

でも、まーさんが新しいマインドで「生きやすい人生」を生き、その姿をお母さんに見せてあげることで、お母さんを導いてあげることはできるのではないでしょうか?

 

 

精神的な境界線を引く、が基本方針だということはわかっているのですが、頭と心がバラバラな感じがするのは何なのでしょうか。

ご相談文を読ませていただいて、まーさんは、向上心があって、自分を磨く意欲にあふれる方、という印象を持ちました。

だから、まーさんの中にはどんどん知識が増えていくのだと思います。

でも、自分の中にある感情を追いかけようとした時に、その知識が妨げになってしまうことがあるんです。

感情がわいた時、思考で描いた「○○だから○○なのではないか」という仮説に、感情を沿わせようとしていませんか?

今回でいうと、まーさんは、「精神的な境界線を引く」が基本方針であることも、それに沿わなければならないということも、思考(頭)ではわかっているけど、
自分が本当に感じていること(心)はそれに沿えないから、バラバラな感じがしてしまうのではないでしょうか。

 

さらに言うと、そういう方って、よく自分の中に「鬼軍曹」がいることが多いのです。

その向上心と真面目さで、自分に厳しくなってしまうこと、ありませんか?

「自分の中にある規律」「自分がこうあるべきと思っていること」に自分が添えていない時、自分を責めたりお尻を叩いたりする、もうひとりの自分に、思い当たる節はないでしょうか?

実は、かつての私がそうでした。

思考優位で、感情を思考で抑えこんで、「こうあるべき」に沿えない自分のお尻をたたいていくんです。

鬼軍曹は、前に進みたいときにはお尻を叩いてくれる有難い存在なのですが、上手く運ばない何かがあった時には誰よりも厳しく自分を責める鬼の一面があります。

その存在が、なりたい自分になれなかった原因を、ビジョンになりきれない自分を、そしてその自分を映し出すお母さんを、責めていないでしょうか?

 

 

まずは、自分を許すこと。

それができると、まーさんご自身がとてもラクになるし、お母さんへのまなざしも変わってくるのではないかと思います。

自分を許すことで初めて、私たちは「自分の現在地」を知り、その先のゴールを描くことができるんです。

その上で、「過去」を見ずに「ゴールの自分」を見る。

なかなか大きな課題ですね。

自分と真摯に向き合ってこられたまーさんですから、きっと今後も頑張って進んでいかれることと思います。

でも、もしもひとりでは難しい時には、お手伝いさせてくださいね。

ご検討をお祈りし、応援しております!

 

 

心理カウンセラー リエコ

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