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心理カウンセラーリエコのブログ

自己肯定感の低い夫を助けてあげたい[ココロノマルシェ]

 

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今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います!

ココロノマルシェとは

根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。 

+++【ご相談】+++++++++++++++++

結婚して13年。夫は優しいですが時に、私の失敗を執拗に叱ってきたり、思い通りにいかないことを私のせいにして怒鳴り散らしたりしていました。
また周囲の人に対しても自分は正論なのになぜ相手はわかってくれない?自分ならこうする。と不満を抱き、相手に自分と同じ考えを求め、白黒はっきりさせるまで気が済みません。
数年前からSNSに依存し、そこでのやりとりで人に不信感を抱いたり、嫌われてると思ったりしては、相手をとても酷く言ったり、イライラしたり、ひどく落ち込んだりを繰り返しています。
日頃から自分の自慢話が多く、人のよくない部分を話題にします。
双極性障害の診断をされており治療中です。
私との前に離婚を経験しておりそれが鬱の発症の引き金だったようです。
私なりに色々と調べていくと、
自己肯定感が低いのが大きな要因では?
と思いはじめています。
私が彼の自己肯定感を高めるためにしてあげられることはありませんか?

 from むぎのすけさん

+++++++++++++++++++++++++++++

 

むぎのすけさん、はじめまして!

カウンセラーのリエコです。

大切な人が苦しんでいる姿をそばで見ているのは、とても辛いことですね。

そんな中で、旦那様の状態をとても冷静に理解され、受け止めていらっしゃるご様子に、むぎのすけさんが旦那様のことをとても大切に想われる気持ちが伝わってきました。

むぎのすけさんのご質問のお答えにかなっているかわかりませんが、私なりの解釈を述べさせてください。

 

旦那様のこと。

むぎのすけさんは、旦那様のご様子から「自己肯定感が低いのが大きな要因では?」と書かれていて、たしかにそれも1つの要因だと思いますが、

ご相談文を読ませていただいて感じたのは、旦那様は胸の奥に大きな痛みを抱えていらっしゃるのではないかということでした。「罪悪感」です。

それは、こんなところから読み取ることができます。

夫は優しいですが時に、私の失敗を執拗に叱ってきたり、思い通りにいかないことを私のせいにして怒鳴り散らしたりしていました。

また周囲の人に対しても自分は正論なのになぜ相手はわかってくれない?自分ならこうする。と不満を抱き、相手に自分と同じ考えを求め、白黒はっきりさせるまで気が済みません。

「自分が悪い」という観念を持っている人は、人から責められることにとても敏感です。なので、何かあった時に、人から責められないよう自分の非を認めず、正しさを主張しようとします。

「自分ルール」を作って、正しく在ることで責められずに済むと考え、そうやって自分の心を守っているんです。きっと、旦那様は、とても心が繊細で優しい方なのでしょう。

でも、「自分ルール」って人それぞれに在るものですから、他人がうっかり旦那様の「自分ルール」から外れてしまうと、レッドカードを出されてしまうんですね。

当たりどころのない怒りは、一番心のキョリが近い人に向かいます。むぎすけさんです。

そして、旦那様は、周りの人を責めるのと同じかそれ以上の熱量で、自分のことを責めているのではないかと思います。

 

数年前からSNSに依存し、そこでのやりとりで人に不信感を抱いたり、嫌われてると思ったりしては、相手をとても酷く言ったり、イライラしたり、ひどく落ち込んだりを繰り返しています。

依存症は「罪悪感」の感情と密接につながっているといわれます。

依存の関係というのは、すなわち「癒着関係」を示します。

癒着することにより、物や人とのキョリ感がわからなくなってしまうんです。

SNSでのやりとりに感情を揺さぶられ、一喜一憂されている旦那様のご様子に、人と自分との境界線があいまいになっている傾向を感じました。

いろいろ書き連ねてしまいましたが、むぎのすけさんから見て、思い当たる節はありますか?

 

 

旦那様にしてあげられることは?

私が彼の自己肯定感を高めるためにしてあげられることはありませんか?

ここでちょっと、私の話を。。

私の父も、むぎのすけさんの旦那様ととてもよく似ています。

本来はとても優しい人なのですが、自分の「正しい」に囚われていて、感情の波がかなりドラマチックなんです。

私は心の勉強をしていることもあり、「こんな風に考えたらラクなのに」「こうすれば周りの人とも気持ちよく付き合えるのに」とどうしても感じてしまい、つい口を出したくなるのですが、出したところで反発され(父のルールに沿わない考え方だからです)、そのたびに倍返しの刑にあい、「人は自分以外の誰かを変えられない」ということを思い知ります。。

残念ですが、人は自分以外の誰かを変えることはできません。

旦那様に対してできることがあるとしたら、それは「よくなるように祈ること」「旦那様を理解すること」「見守るという形でのサポート」。

むぎのすけさんは、もう十分に果たされていると思います。

愛なくしてはできないことだと思います。

本当に素敵なご夫婦ですね。

 

むぎのすけさんにできること

「旦那様に対してできること」はありませんが、むぎのすけさんにできることは、実はいろいろあります。私がお勧めしたいのはこの2つです。

❶旦那様への理解を深めること。

 具体的には、「罪悪感を強く持つ旦那様を理解する」、そして「付き合い方を知る」ことです。

「罪悪感」は、程度の差はあれ「誰もが持っている感情」です。

むぎのすけさんの旦那様にその傾向があるとしたら、その度合いが強いだけ。

なので、全ての罪悪感を昇華するというよりも、「罪悪感と上手く付き合っていく」というスタンスで考えていかれることをお勧めします。

そこで、パートナーであるむぎのすけさんが「罪悪感」という感情をよく知ることで、旦那様のサポートをすることができると思います。

例えば、また私の話に戻りますが。。

罪悪感の強い人が「誰か」を責める時、それと同じかそれ以上に、「自分」のことを責めている・・ということを学んでから、私は父の怒りに翻弄されることがなくなりました。

それまでは、恐ろしさに縮こまり、自分が悪くなくても「謝る」ことをしてその場をしのいでいたように思います。でも、「罪悪感」の知識を得ることで「父はとても傷ついているんだな」と冷静に受け止められるようになりました。

今の私は、「父は感情に不器用なんだ」と理解し、謝ってその場をしのぐことはしません。

私が謝ることで父を「加害者」にしないため、そして、加害者にすることで余計に罪悪感を積ませないためです。

「罪悪感に」ついては、根本さんの「罪悪感本」が大変参考になります。

とても良い本なので、ぜひご参照ください。

❷自分を整えること

ご相談文を読んで感じたことがありました。

それは、ご相談者は「むぎのすけさん」なのに、むぎのすけさんの気持ちが少しも書かれていないこと。

そして、ご相談文も主題も「旦那様」にクローズアップされていること。

また、むぎのすけさんが「旦那様のこと」を「自分のこと」のように受け止め、「自分のこと」のように苦しまれていること。

そんなご様子に、「溺れている旦那様を助けようとして、自らも溺れてしまっている状態」のむぎのすけさんが目に浮かんできてしまったんです。

もしも旦那様が癒着体質の傾向があるならば、パートナーであるむぎすけさんにもその傾向があるのかもしれません。「パートナーは鏡」だからです。

そうなってしまうのは、ご夫婦がお互いに大切な存在で、心を分け合ってこられたからだと思います。

でも、旦那様が心が元気じゃない今、「痛みを分かち合う」という在り方から、「理想のビジョンに向けてのリーダーシップをとる」という新しい関係性を探ってみませんか?

むぎのすけさんが「自分軸をもつ」「自己肯定感を上げる」ことを率先して行い、旦那様を促していくのです。 

そうやって、むぎすけさんが変わることにより、パートナーである旦那様にも何かしらの変化が及ぶことが考えられますよね!

具体的には、「自分は自分、夫は夫」と唱え、旦那様のペースに巻き込まれることなく、旦那様に関心を向けすぎず、自分に意識を向ける、という在り方にシフトしていきます。

生活の中に「自分の心地よさ」をとりいれ、心がホッコリする時間をどんどん広げていきます。

むぎのすけさんご自身が「自分が自分のいちばんの味方」というマインドを持たれ、自己肯定感を高くして決して「自分を責めることをしないマインド」をもたれることで、旦那様を「こっちにおいでよ!」と促すイメージです。 

とはいえ、「一緒に暮らしている家族」との関係を整えていくことは、簡単なことではないと思います。時間もどれだけかかるかわからないし、根気も必要です。

でも、このマインドチェンジでむぎすけさんご自身がきっと心地よくなるはずです。

いままで旦那様の痛みを自分の痛みにしてきたのですもの、相当しんどかったのではないかと思います。気長に取り組むために、自分が心地よく在ることは大切ですよね。

むぎのすけさんに今できることを、1つ1つ気長に取り組んでみてください。旦那様を大切に想われているむぎすけさんには、きっとできると思います。

「『愛の量』と『罪悪感の量』は比例する」といいます。

人より罪悪感の強い旦那様は、きっと人一倍、愛の大きな方なのだろうなと思います。そして、パートナーであるむぎすけさんも。

心の痛みが解消されるにつれ、愛の表現が変わり、ご夫婦の笑顔の時間が増えていきますように!

 

何かしらご参考になりましたら幸いです。

ご相談をありがとうございました。

 

 

心理カウンセラー リエコ

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