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心理カウンセラーリエコのブログ

私の恋愛がうまくいかないのは、亡くなった先輩への罪悪感が呪いとなっているから?[ココロノマルシェ]

 

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今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います!

ココロノマルシェとは

根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。 

+++ 【ご相談】+++++++++++++++++

以前、恋愛のことで相談させていただきました。
その際に、温かいアドバイスをいただき、何度もも読み返して癒されています。
ありがとうございました。

今回は、人間関係のことです。

新卒で入った、前職場にいた先輩のことです。小さい部署で、年齢の近い女子社員は密な連携をしていました。

その先輩は、ある人を徹底的に無視していて、お茶汲みをしている時もお昼休憩の時も、その人がいないかのように振舞っていました。

そのときに、私の中で「この人を怒らせたら怖い目にあう。」とインプットされたため、言動に気をつけて接していたので、おかげで可愛がられるようになりました。

数年が経ち、ささいな誤解が元で、ある日から急に私が無視されるようになりました。

挨拶をしても、空気のように扱われ、毎日職場のトイレで泣いてやり過ごす日々。

時間が経ってから、他の先輩に理由を聞きましたが、全くの誤解。

一度だけでも話をしてほしいと、メールをしても全て無視され…

段々私も嫌気をさしてきて、私には他にも味方になってくれる先輩はいると言い聞かせ、つらいながらも半年経ちました。

その頃、転職が決まり、その先輩も病欠でしばらく休職され、もう会うこともないのかなと残念に思っていました。

そして、さらに半年が経ち、新しい職場で働くようになった頃、その方が亡くなられたと連絡をもらいました。実は、末期の卵巣癌だったそうです。まだ30歳の若さだったのに…

はじめに「私に対しての怒りが原因で病気になられたの…?」と思い、お通夜に行くことすら迷いました。

でも、結局何の和解もできないままの別れが悲しく、お通夜で私の気持ちを書いた手紙を棺に入れました。

その人の病気と私とのことは関係ない、と思うものの、たまに思い出すことがあります。

そして、その人は独身で、結婚したがっていました。

そして、私は恋愛がうまくいかず、婚活をしたもののうまくいかず、独身です。

その人に対しての罪悪感が呪いとなって、私は恋愛がことごとくうまくいかないのでは…?なんて、被害妄想的に思ってしまうことも…

前に進んでいくために、もう二度と会えない人への罪悪感をどうやって癒していったらいいのか、アドバイスをいただけたらうれしいです。

 

from さらこさん 

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さらこさん、こんにちは!
カウンセラーのリエコです。


小さなコミュニティって、難しいですよね。
アットホームな楽しさがある反面、何かトラブルが生じると、アットホームが「逃げ場のない閉塞感」に変わり、トラブルを一層深刻にさせる気がします。

そんな中、「この人を怒らせたら怖い目にあうゾ」と思わせる人物も、どこの組織にも存在するもので。。
さらこさんは、はじめは先輩に可愛がってもらっていたのに、ある時から急に無視されてしまったんですね。
小さいコミュニティの中で、しかも理由がわからないまま無視され続けるというのは、どんなに辛くしんどい毎日だったでしょう。
その上、その先輩が若くして突然亡くなってしまったという衝撃。
辛い思い出もある中で、その前には可愛がってもらっていた時期もあるのですから、さらこさんの中に先輩への想いが複雑に残ってしまうのは、仕方がないことかもしれません。


◆「自分軸」をもつ
「先輩への罪悪感を、どうやって癒していったらよいか」を考える前に。
さらこさんと先輩との関係について辿るべく、質問文を読み返してみると、そこには、さらこさんがずっと先輩の存在に心を向けてこられた姿が浮かんできます。
職場で先輩と出会い、言動に気をつけて接することで可愛がってもらうようになり、数年後には突然無視され悲しい気持ちで毎日を過ごし、先輩が亡くなった今は先輩への罪悪感を抱いて胸を痛めて。。

「さわらぬ神にたたりなし」という言葉がありますが、その存在に対して「さわらないように気をつける」ことも、敢えなく「たたりにあう」ことも、結局のところ、相手にエネルギーを奪われていることに違いはありません。
そこで、できる限り「エネルギーを奪われない」ことを考える上で、不可欠となるのが、「自分軸」という心の在り方です。
それは、今回の場合でいうと、「その時に自分にできることを精一杯やって、その結果を受け止め、自分らしく在ること」になるのかなと思います。

先輩から無視されていた頃のさらこさんは、辛い状況の中でも「今自分ができること」を考え、状況を改善すべく行動を起こし、その時点でできることは十分に果たされましたよね。とても勇気のいることだったと思います。
残念ながら、さらこさんの想いは先輩に伝わらなかったけど、こちらが投げたアクションを相手が「受け取るかどうか」は、相手が判断することなので、こちらはもうどうすることもできません。
なので、この結果を受け止めつつ、さらこさんは「出来ることは全てやりきった」ことに対して、「よく頑張ったね!」と自分を褒めてあげて、あとのことは神様にお任せする気持ちで、一旦自分を問題から解放してあげてもよいのではないかなぁと、私は思います。
とはいえ、無視され続けていたのですから、気にならないわけはありませんし、しんどい状況にかわりはなかったわけですが、
そんな中でも「先輩にエネルギーを奪われている状態」から「自分のペース」を取り戻し、自分で自分をリラックスできる状態にもっていく意識が、さらこさんにとって、あらゆる問題において大切なことなのではないかなと感じたのです。

これは、恋愛問題にも通じること。
この質問文には、さらこさんの先輩に対する想いの深さが溢れていますし、先輩が亡くなった今もなお、罪悪感に苦しんでいるさらこさんは、とても愛情深い優しい方なのだなぁということが伝わってきます。
反面、その優しさゆえ、相手に気持ちを注いだ分だけ、さらこさん自身が心を窮屈にしたり、罪悪感という形で自分で自分を責めて苦しんでいらっしゃることにお気づきでしょうか?
これを恋愛に置き換えて考えた時に、もしかしたら、同じような関係性が生じやすいのではないかなぁと感じたのです。
もしもお心当たりがあれば、「私は私、彼は彼」というマインドを持たれることで、自分を軸とした新しい関係を築いていくことが期待できます。


◆先輩のココロの中は?
さて、ここで先輩についても触れてみたいと思います。
亡くなった先輩のココロの内を知ることはできませんが、先輩自身も、もしかしたらうすうす気付いていたかもしれません。社内にたびたび「無視をする対象」が現れることを。そして、その時の怒りが「相手の問題」ではなく「自分の問題」であることを。

心理学の言葉に「自分以外の誰も、自分のことを傷つけることはできない」と言う言葉があります。
それは、「もしも誰かが傷ついたとしても、それはもともとその人の中にあった問題が、外側の何かに刺激されてうずいているだけである」というもの。
その言葉に照らして、先輩の心の中を探ってみると、もともと先輩の中にあった問題(コンプレックス)が、外側の何か(誰か)に刺激されて、「怒り」という形で反応していたことがうかがえます。
こうした場合、「外側の何か」というのは、「自分が欲しいのに得られていないもの持つ人」や「自分が自分に禁じていることをしている人」だったりします。嫉妬と言い換えることもできるのかもしれません。
もしもそうだったとしたら、先輩にとって、無視する相手は、先輩のコンプレックスを刺激する存在であり、刺激されて生まれたその感情を、ついついその相手にぶつけてしまっていたのかもしれませんね。

病の床に伏し人生を振り返ったとき、もしも先輩がそのことに気づいていたなら、さらこさんに対して「ごめんね」と思っていたかもしれません。そして、天国にいる先輩は、今もなお自分のことを想い続けてくれているさらこさんの優しさに、「ありがとう」の気持ちを抱かれているのではないでしょうか。


◆新しい関係を築こう
長くなりましたが、いよいよご質問の本題に戻ります!
今も先輩への「罪悪感」に苦しんでいるならば、亡くなっているとはいえ、まだ先輩はさらこさんの中に存在しているといえます。生きているのと同じです。
そこで、提案なのですが、先輩との関係を見直す気持ちで、もういちどお手紙を書いてみませんか??
かつて綴った「棺の中に入れた手紙」で、誤解も解けているはずですから、可愛がってくれていた頃の関係に戻ったつもりで、さらこさんの気持ちを受け止めてもらうのです。
「あの時はこんなことを感じながら過ごしていたんですよ。正直言って〇〇と思っていました」とネガティブな想いをぶつけてみてもいいし、楽しかった頃の思い出を振り返ってみるのもいいですね!そして、最後には是非、先輩との出会いで得られた学びや恩恵を思い浮かべ、感謝を伝えてみてください。それはきっと、天国の先輩に伝わるはず。ここからまた、心の中の先輩との新しい関係を築いていけたら素敵ですよね!

さらこさんが、先輩との新しい関係を築かれる中で心が癒され、清々しい気持ちで前に進まれますようお祈りしています!

 

 

心理カウンセラー リエコ

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