心理カウンセラーのリエコです。
今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。
根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。
+++【ご相談】++++++++++++++++++
好きや幸せを感じません
過去も今も何があったわけでもないのにボロボロで気力がなく何もしたくありません。
昔よく自分の状態を伸びきったゴムのようだと感じてましたが今は摩耗しきって切れてしまい、修復するにも素材自体の劣化が激しく使用不可能で処分待ちという感じです。
小さな挫折は人並みにはありました。
受験や就活の失敗、チャンスを何度となく活かせなかったとか。
両親とも健在で経済的には裕福ではありませんでしたが人並み(中流の下の方)
虐待や過干渉はありませんが、母と私で親子逆転はあったと思います。
うちの家族は父と私が親で、母と兄が子供という感じです。
こんな摩耗状態で気がつくとオールドミスで仕事も這うようにやっており離職が多くここ数年は貯金も貯まらずここ状態で違い将来、親の介護をしなければと思うと逃げたくて仕方がありません。
from コニインさん
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コニインさん、はじめまして。
心理カウンセラーのリエコです。
疲れきって気力もなく何もしたくない・・そんな辛い状況の中、お気持ちをシェアしてくださってありがとうございます。
「摩耗しきって切れてしまい、修復するにも素材自体の劣化が激しく使用不可能で処分待ち」という言葉から、コニインさんの状況がとてもよく伝わってきます。
「過去も今も何かがあったわけではないのに」と書かれていますが、私はご相談文を読んで、コニインさんはきっと与えられた状況の中で一生懸命に頑張ってきた方なんだろうな、と思いました。
パワーが尽きて自分の事もままならないのに、近い将来の親の介護まで「自分の務め」として意識に上がるのは、コニインさんが周りの人を支えてきた方であり、「相手によかれ」ということを先取りしてやってきた方だからこそ、ですよね。
だから、コニインさんがこんなにもボロボロで、気力を失うほど消耗しているのは想像に難くないし、
そんな中で、今の自分には背負いきれないであろう重たい現実につぶれされそうになって、ご相談くださったのではないかなと思います。
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コニインさんがご相談くださったこの問題。
それは、物心ついた頃からずっと習慣になっているものの中に、原点があるのではないかと思いました。
具体的に言うと、家族の中でいちばん小さなコニインさんが、お母さんの”親役”を担い、お兄さんの”親役”を担ってきたことです。
うちの家族は父と私が親で、母と兄が子供という感じです。
その意識が子供の頃から続いているのであれば、
コニインさんは小さな頃から「与えること」「支えること」「自分でしっかり立つこと」を、ごく自然に、当たり前のように受け入れ、こなしてきたのかもしれません。
小さな子供には、負担の大きなことだったのではないでしょうか。
もしかしたら、自分の事を後回しにして、お母さんやお兄さんにパワーを注ぐようなこともあったのかもしれませんね。
でも、どうしてそこまでのことができたのでしょう?
小さな子供であれば、お兄ちゃんと同じように「子供らしくある」ことを選択し、親役など担わないことだってできたはずです。
でもそうしなかったのは、コニインさんがご家族のことが大好きで、小さいながらも救いたい気持ちがあったからではないでしょうか?
そして、家族みんなが幸せであるために、家族の中のバランスをとるべく、「与える」という役割を自然に受け入れてこられたのではないでしょうか。
そんな思いやりのあるコニインさんですから、お父さんにも思いきり頼れなかったのではないかということも、想像に難くありません。
だって、コニインさんまで頼ってしまったら、お父さんの負担がさらに大きくなってしまいますもんね。
既に「与える」ことを経験しているコニインさんですから、自分も一緒になって、お父さんに甘えることは、できなかったのではないでしょうか。
もしもそうなら、小さなコニインさんを取り巻く環境は、子供らしく親に甘えることも、安心して頼ることも、封印しなければならなかったのかもしれません。
そのようにして家庭の中で培われたスタイル(役割)は、社会的なつながりのあらゆる場面で「コニインさんのスタイル」として繰り返されていきます。
例えば、
学校では、気づけば面倒な役割をかって出ていたり、
職場では、気づけば同僚のサポートやフォローをする役回りをしていたり。
特に「お母さん」や「お兄ちゃん」のようなタイプの方が身近にいると、与えたり、助けてあげたり、支えてあげたり、といった役割にまわってしまうこと、ありませんでしたか?
同様に、周りの人に「甘える」「頼る」といったことは、あまりなかったのではないでしょうか。
それも、コニインさんが子供時代から培い、馴染んできたスタイルだからです。
周りの人を「支え」、
ときには自分を二の次にして「与え」、
「自分でしっかり立つこと」をしながらも、
誰かに「甘えること」「頼ること」は封印する。。
それがずっと続いてきたのであれば、
伸びきったゴムのように消耗してしまうことも、
ボロボロで気力がなくなってしまうことも、
何もしたくなくなってしまうことも、
よく理解できます。
でも、いま直面しているこの現実を「問題」と捉え、ココロノマルシェにご相談くださったのは、コニインさんにとって今が大きな節目だからだと思うのです。
そして、「ボロボロで気力がなくて何もしたくない‥」の心の奥底には、
「この現状をどうにかしたい」の気持ちがあるのではないでしょうか?
この節目がコニインさんの安らぎにつながりますよう、
ご相談文を読んで私が感じたことを書いていきたいと思います。
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まずは、休息しましょう。
ボロボロで気力がなく何もしたくありません。
こんな摩耗状態で気がつくとオールドミスで仕事も這うようにやっており離職が多くここ数年は貯金も貯まらずここ状態で違い将来、親の介護をしなければと思うと逃げたくて仕方がありません。
コニインさんは今、力を出し尽くしちゃったような状態だと思うんです。
もうボロボロで、ゆっくりと心身を休めたいのに、
「今の不安事」や「将来の心配事」に駆られてしまい、
頑張らないといけないって思うのに、もう頑張れない。
そんなしんどい現実から逃げ出してしまいたいのに、その気力すらわかない。。
そんな感覚をお持ちなのではないでしょうか?
不安に駆られた時って、思考はどんどんネガティブな方向に向かいます。
心と体はとても密接につながっているから、体が元気じゃないと、心も元気にならないんですよね。。
なので、今のコニインさんの状態でいくらもがいても、よい方向には運びそうもありません。
であれば、いちど「徹底的に自分を休ませてあげる」ことをしてみませんか?
そのために重要なのは、「思考の声を、自分から切り離すこと」だと思っています。
実は、私にもコニインさんと似た経験があります。
参考になるかわかりませんが、ちょっと書いてみますね。
頑張りすぎて疲れてしまい、気力が消え去って、何にもしたくなくなっちゃったんです。
なのに私には「頑張らないと、これまで積んできたことがなくなっちゃう」という思い込みがあり、そんな不安の沼にすっぽりと覆われていました。
ぺちゃんこな自分の心を引き上げようにも、不安に包まれた私の心には、やりたい事も欲しいものも何ひとつ浮かばず。。まるで心が死んでしまったようでした。
「どうにか自分を助けなければ」
そんな想いから、あれこれやってみた末に辿り着いたのは、「思考の声から逃げること」。
心の中の不安をかきたてるのは、だいたいにおいて「思考」です。
未来の心配事も、過去の後悔も、いま目の前に起きていることではないのに、頭(思考)が勝手に思いめぐらせて自分に囁いてくるから、心が掻き立てられてしまうんです。
その声に抗うパワーがないなら、逃げるしかありません。
とにかく「思考」しないための方法を探り、効果が感じられたのは、これでした。
①五感に集中する
「感覚」と「思考」って同時には働けないんです。
五感に集中する、という瞑想もあるくらいなんですよ!
味わう事、香りを嗅ぐ事、美しいものを見る事、好きな音楽を聴く事、など。
②体を動かす。
体感に集中して体を動かします。①と同様の効果があります。
散歩、ストレッチ、など。
③韓流ドラマを観る
実は、私にいちばん効いたのは「韓流ドラマ」でした。稚拙でお恥ずかしい!
韓流ドラマは視聴者をドラマの世界に引き込むのがとても上手で、感情もたくさん揺さぶってくれるので、キュンとウキウキの世界に簡単にトリップできます。
どっぷりと浸かっている間は思考がストップしているし、ゴロンとしながら楽しめる気軽さも最高なんです。
あ、もしかしてこれを読んで「心理カウンセラーなのに、逃げるって!」って思いましたか?
自分を守るために「逃げるという選択肢を持つ」ことは、悪いことでもずるいことでもないんですよ。
選択肢がない状態って、自分を追い詰めます。
でも、「逃げる」という選択肢をもつだけで視野が広がることもあるし、
その場から一旦「逃げる」ことで英気を養えたら、再びトライすることだってできるのです。
師匠の根本さんも、著書「逃げる技術」で、「逃げる技術は、ある人にとっては”人間らしさを取り戻す技術”である」と書いています。
今のコニインさんにとても響く本ではないかなと思います。
よかったら読んでみてください。
コニインさんは、これまで周りの人に与えてきた思いやりを、自分に注ぐ時なのだと思います。
もしも不安だったら、休養の期間を決めてみるのはいかがでしょう?
「ひとまず1か月間は、徹底的に休む!自分に甘々にする!」って。
コニインさんが少しでも心地よく在るように、できる範囲でやり方を工夫して、全力で労わってあげてほしいなと思います。
十分に休息がとれたら、「うん、もう大丈夫!」って思える時がちゃんときます。
そのときに再び課題に向き合ってみると、ボロボロな状態の今より視点が上がっているので、まったく違う景色が見えますよ!
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さて。ここからは、「十分に休息して元気が戻ってきたあと」で取り組んでみてほしいことを3つ書いていきたいと思います。
もしもいいなと思うことがあれば、ぜひ取り組んでみてください。
自分に寄り添うこと。
1つ目は、「自分の中に、自分の味方を育てること」です。
過去も今も何があったわけでもないのにボロボロで気力がなく何もしたくありません。
コニインさんがそんな風につぶやいた時、
「そうなんだね、とてもしんどくなっちゃってるんだね。」
「何もしたくないなら、ひと休みしたらどうかな?」
「だって気力がわかないんだもん、しょうがないよね。」
そんなふうに声を掛け、そばに寄り添って優しく支えてくれる人がいたら、とても心強いと思いませんか?
そんな存在が「コニインさんの中」にいたらいいな、と思ったんです。
良い時も、そうでない時も、いつも自分が自分に寄り添って、慰めてくれたり、応援してくれたり、背中を押してくれたり。。
そんな「自分のいちばんの味方」であり「自分の理解者」を、自分の中に育てるイメージです。
そのためには、まずは「自分に寄り添えない自分」「自分を責めている自分」の存在に気づくことからかな、と思います。
もしも自分を責めている自分に気付いたら、
「あー、私はこんな言葉を自分に掛けてきたんだな」
「私ってこんなに自分に厳しいんだな」
と思うだけOKです。
そして気づいた時には、
「もしも大切な友達だったら、どんな言葉をかけてあげたいかな」
と思い浮かべながら、再び自分に声を掛けてあげてください。
少しづつ自分との距離を縮めていけたらいいですね!
お母さんとの関係を整理すること。
虐待や過干渉はありませんが、母と私で親子逆転はあったと思います。
うちの家族は父と私が親で、母と兄が子供という感じです。
コニインさんは子供の頃からずっと「私はお母さんを支える役割を担っている」という意識を持ってきたのかもしれません。
ご相談文に記載がないのでわかりませんが、きっと、そうならざるを得ない状況があったんですね。
役割って人を縛ることがあります。
「支える人」がいるから、「支えられる人」ができるんですよね。
そしてそれが、癒着という関係を生む要因にもなっていきます。
また、意外と盲点なのが、自分の意識の中では「お母さんのために、その役割を請け負った」と思っていても、
実は「私がお母さんのそばにいるために、その役割を担っていた」というもの。
コニインさんとお母さんの関係については、詳細が書かれていませんが、これらについてお心当たりはありますか?
どちらにしても、お母さんが大好きゆえに起こるケースだと思います。
親子逆転だった子供時代とは違い、現在は、お母さんもコニインさんも大人同士です。
コニインさんの中にあるその「固定されている役割」を、意識の中だけでも外してみるのはいかがでしょう?
私は私、お母さんはお母さん。
お母さんは、私がいなくても大丈夫。
私は、お母さんがいなくても大丈夫。
お母さんは、自分の力で自分を支えることができる。
声に出して読んだ時、どんな気持ちになりますか?
お母さんとの関係が整うことで、コニインさんが無意識に抱えてきた何かが軽くなるのではないかなと想像しています。
自分ひとりで頑張らないこと。
コニインさんは何かと「人を頼らず、自分でやる」ことをしてきた方なのではないでしょうか?
「手伝うよ」と言われても「大丈夫!」と言って自分でこなしたり、
自分では抱えきれない大きな仕事も、誰かに助けてもらう発想もないまま、ひとりでこなそうと頑張ってみたり。
これまでそういうことって、ありませんでしたか?
もしも今回の困り事が「コニインさんにとって必要だからおきたこと」だとしたら、「人に頼ることができるようになること」ってとても大きなテーマじゃないかなと思ったんです。
そうはいっても、頭ではわかっているのに行動するのが難しいのが、このテーマでもあります。
これまで「人に頼る」「甘える」をしてこなかった人が、いざ頼ろう、甘えようと思っても、どうしたらいいのかもじもじしてしまうし、
だったら自分で・・ってなってしまうんですよね。。
でも、もしもそんな自分の性質にご自覚があれば、ぜひトライしてみていただきたいと思います。
もしもそんなシチュエーションが訪れて、人に頼ることができなくても、
「あ、また人に頼ることができなかったな」
「つい何でも自分でやろうとしちゃうんだよね‥」
と自覚できるようになるだけでも、大きな進歩です。
そして、意識的に「頼る」ことにトライし続けてみてください。
そうすることで、抱え込まない事を自分に慣れさせてあげてほしいなと思います。
仕事場では、できることとできないことを振り分け、できないことは誰かに頼ればいいし、
親の介護問題も、ひとりで抱え込まずに、兄弟2人で支え合えばいいと思います。
コニインさんの中で、お兄さんは「子供ポジション」なのかもしれないけど、もう大人の年齢ですよね。
もしかしたら頼りなく感じてしまうのかもしれないけど、ずっと抱えてきた「兄の親役」という役割を手放して、大人同士の関係にシフトしてみるのはどうかなと思います。
お兄さんも、いつもはしっかり者の妹が頼ってきたら、嬉しいかもしれませんよ!
ざっくりと書いてきましたが、ひとりで難しいことがあれば、カウンセラーのサポートを頼ってくださいね!
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ご自分のことを「伸びきったゴム」のように感じていた昔から、現在に至るまで、
コニインさんが病気にもならずに過ごしてこれたのは、もともとのパワーがとてつもなく大きい方だからかもしれません。
その器にパワーが戻った時、きっととてもたくさんの魅力や才能が花を開くのではないかなぁと想像しています。
まずはゆっくりと体と心を休めて、十分にパワーを蓄えてくださいね!
そして、新しいスタイルにシフトチェンジしたコニインさんが、本来の自分らしさを発揮できますよう、応援しています。
心理カウンセラー リエコ