カウンセラーのリエコです。
今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。
根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。
+++【ご相談】+++++++++++++++++++
転勤するたびに不安と恐怖で心も身体も疲弊してしまいます。
こんにちは。
私は公務員で定期的に転勤があるのですが、転勤するたびに不安と恐怖で心も身体も疲弊してしまいます。
周りから仕事ができないと責められた訳でもなく、自分でも新しい環境に慣れるのに時間が必要なのは頭ではわかっているのに、ずっと不安が消えてくれません。
仕事中は憂鬱で、休みの日も仕事のことが頭から離れません。前回の転勤のときも、この状態が数ヶ月続きました。
不安を少しでもなくすアドバイスなどあれば、教えていただきたいです。
from 聖さん
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聖さん、はじめまして!
カウンセラーのリエコです。
定期的に転勤がある仕事に就かれているのに、
転勤のたびに大きな不安に包まれてしまう…
それはお辛いですね。。
恐怖を感じるって、よっぽどのことだと思います。
新しい環境は、誰だって多少は不安を感じるものですけれど、
心も身体も疲弊してしまうほどの不安…と聞くと、
そういうこととはまた違う、何か事情があるようにも感じます。
「そうなるには、そうなる理由がある」と思うからです。
そんな視点から、思いつくことをいくつか書いてみたいと思います。
◆「不安と恐怖」の元をたどってみる。
聖さんが不安や恐怖を感じるのは、どんなことに対してでしょう?
例えば、新しい環境、人との新たな出会い、馴染みのない人に囲まれること、よく知らな人と共に仕事をすること、相手がどんな人なのかわからないこと、などなど。。
自分が不安や恐怖を感じている「具体的な対象」がわかり、
「あぁ、いま私は、〇〇だから不安なんだな」と理解できると、
ただやみくもにコワイということがなくなります。
そして、それに対して何かしらの対処ができるようになります。
不安や恐怖に対して「受け身」でいることから抜け出して、
「しっかりと対象を見て、向き合う」イメージにシフトできたら、
ちょっと気持ちが強くなるんじゃないかな、と思いました。
不安の元になっているものを、いちど探ってみてはいかがでしょうか?
◆過去の痛みを重ねているのでは?
もしも聖さんに直接お話をうかがえるならば、
かつて『同じようなシチュエーション』で不安や恐怖を強く感じた経験はないか、というところから掘り下げてみたいです。
例えば、かつて、こんな出来事はありませんでしたか?
●社会人になりたてで、右も左もわからない状態のときに、理由もわからず激怒されたことがある。
●相性の合わない人ばかりの環境で、自分の言動によって反発を受けた。
●新しい環境のルールを、知らずに侵してしまい、居心地が悪くなった。
もしもこのような経験があったとして、
その時の「強い不安や恐怖」が今も聖さんの中に残っていると、
同じシチュエーションになるたびに「過去の不安や恐怖」が蘇り、
「今の不安や恐怖」と重なって襲ってくることがあります。
すると、不安や恐怖は、ものすごく大きくなりますね。
その場合、感じている感覚を
「過去の不安や恐怖」と「今の不安や恐怖」とに仕分けることで、
その時感じている不安や恐怖が小さくなります。
その上で、根本治癒として「過去の不安や恐怖」を昇華していきます。
不安や恐怖のトラウマを掘り下げる作業ですから、
苦痛を伴うかもしれませんが、
もしお心当たりがあればぜひいちど掘り下げてみてください。
ひとりで難しければ、カウンセラーをぜひ頼ってみてくださいね!
聖さんには見えない視点から、アドバイスをもらえるはずです。
◆投影という見方。その1
新しい環境での「人」との出会い。
相手がどんな人なのか、どんな考え方をするのか、優しいのか厳しいのか、信頼できる人なのか・・
そういうことが全く分からない中でのコミュニケーションは、緊張しますよね。
そんな時、相手の反応をみて、
●もしかしたら「仕事ができない」って思われたかも。
●提出が遅いと思われている気がする。
●〇〇さんが挨拶を返してくれなかったのは、嫌われているからかも。
というようなことを想像して、不安が募るようなことはありますか?
そしもそうなら、それらの想像は「聖さんの頭の中で作られたもの」です。
人はそれぞれ感じ方や考え方が違うし、
実際のところ、相手がどう感じたかは、相手に聞いてみないとわからないんですよね。。
でも、人って、自分が感じていることを「相手もそう感じている」と受け取りがちなんです。
ということは、「聖さんが想像する相手の反応」というのは、「聖さんが、自分自身に感じていること」ということになります。
先ほどの例えを用いると、
●私は、私に対して「仕事ができない」と思っている。
●私は、私に対して「もっと早く提出するべきだった」と思っている。
●私は、私を嫌っている。
って、聖さんはご自分に対して感じているのかもしれません。
周りから仕事ができないと責められた訳でもなく・・
このように書かれているのをみて、
「周りから仕事ができないと思われないだろうか」というのも、聖さんの不安要素の1つにあるのかもしれないなと感じたのですが、
こちらも同様に、
こう在りたいと「自分が自分に抱いている期待」が、「周りの人が自分に抱いている期待」に変換して見えてしまっていることはないでしょうか?
自分が自分に厳しい分だけ、周りの人の目も厳しく感じてしまうことになるのです。
それはとてもしんどいですよね。。
◆投影という見方。その2
この発想を逆にしてみると、
聖さんが自分のことが大好きだった場合、
「周りの人も、私のことが大好き」と感じることになるし、
自分が自分の味方でいると、
「周りの人も、自分の味方だ」と感じることになります。
よって、自分に対するイメージをよくすると、
聖さんの仕事場は「聖さんのことが大好き」で「いつも味方してくれる人ばかり」ということになりますね!
とてもリラックスできる環境に変わりそうです。
◆相手軸から自分軸へシフトする。
・・休みの日も仕事のことが頭から離れません。
聖さんは、とても真面目で一生懸命で、責任感のある方なのだと思います。
それゆえに、職場の同僚たちから頼りにされたり、期待の目を向けられたりすることも多いのではないかなぁというのは、想像に難くありません。
そしてきっと、頑張ると「できちゃう」方なのでしょうね。
前回の転勤のときも、この状態が数ヶ月続きました。
ということなので、
数ヶ月して環境に慣れたり、周りの人の人柄を把握できたり馴染めたりできれば、不安や恐怖は落ち着くのでしょうか?
「会社」や「周りの同僚たち」の立場に立って考えることができる方は、
「相手から求められているもの」がわかってしまうがゆえに、
それが無言のプレッシャーになってしまうことがあります。
そういう方が、慣れない環境において「相手から求められていること」がわからないのも、また不安要素になるのかもしれません。
もしも、そういう感覚にお心当たりがあれば、
それは「求められていることに応えてあげたい」という聖さんの思いやりなのですが、
そこには1つ、大事なことが抜けてしまっているんです。
聖さん自身がどうしたいのか、どう在りたいか、という「自分スタイル」。
要は「自分軸」です。
◆理想のイメージを描いてみよう。
聖さんの理想の職場環境、職場にいるときの感覚、仕事スタイル、はどのような感じですか?
例えば、
●同僚たちとのコミュニケーションがとても心地よい。
●同じチームの仲間とは、お互いサポートし合いながら、効率よく動けている。
●息抜きの時間は、茶の間のようなホッコリした雰囲気の中で、おしゃべりが弾んじゃう。
●勤務時間は集中して仕事に取り組み、仕事が終わればサクッと切り上げ、プライベートな時間を楽しんでいる。
●自分のエネルギーの7割は仕事に費やし、残りの3割は将来に向けて○○の勉強に費やしたい。
ざっくりと書いてみましたが、できるだけ具体的に描き、それを体感しながら繰り返しイメージして、自分の中の引き出しにしまっておきます。
そして、仕事場で不安を感じる時に、そっと引き出しから取り出して、感じてみるのです。
すると、不安に翻弄されていた状態から、「私はこうしたい」というビジョン、すなわち自分軸に戻ることができます。
手軽にできるイメージワークですが、
自分のスタイルを確立する上でも、役に立つのではないかと思います。
是非お試しください。
いろいろ書いてみましたが、参考になることはありましたでしょうか?
聖さんの不安や恐怖が、少しでも和らぎ、楽しい仕事生活になりますようお祈りしています!
心理カウンセラー リエコ