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心理カウンセラーリエコのブログ

他人との適度な距離がわからない[ココロノマルシェ]

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心理カウンセラーのリエコです。

今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。

ココロノマルシェとは

根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。 

+++【ご相談】++++++++++++++++++

他人との適度な距離がわからない

はじめまして。よろしくお願い致します。
他人との適度な距離がわかりません。
能動的にも受動的にも、依存しやすい・されやすい体質なのかもしれません。

 

自分が好きになった人(友人でも恋愛対象でも)とはいつでも連絡を取り合ってしょっちゅう会わないと、嫌われたんじゃないかと不安になります。それが依存だという自覚はあるので、実際に連絡をするのは控えます。でも、そうやって自分を抑えていたらずっと(5年以上)片想いしていた人が、いつのまにか一番仲のいい子と恋愛関係になっていました。なんとなくどっちとも距離ができて、親友と好きな人を同時に失いました。

 

自分が好きでもない人、特に職場の女性の同僚などからはなぜかプライベートな愚痴や相談をよく持ちかけられ、そこまで親身に聞いているつもりもないのに、いつの間にか仕事の時間中延々と家庭や恋人の愚痴を聞かされる羽目になります。嫌になって逃げようとすると「そんな冷たい人だと思わなかった」とか「私のこと嫌いになった?」とか言われます。

 

今、好きな人ができたのですが、いつものようにしつこく連絡したい気持ちが膨れ上がっています。だけど、しつこいと思われるのが怖くて連絡できません。そうこうしている間にまた他の人に取られてしまいそうで怖い。
あれも怖い→これも怖い、のスパイラルに陥ってしまい、いつも悲しいし、疲れるし、かといってずっと1人でいるのも怖いし…

 

どうしたら他人との適度な距離感がわかるようになるのでしょうか。相手と、自分を尊重しながら親密感を得ることができるのでしょうか。

まとまりのない文章ですみません。
アドバイスいただけると幸いです。

from ぱんださん

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ぱんださん、はじめまして!
心理カウンセラーのリエコです。

 

近づきたい人とはなかなか近くなれないのに、
そうでない人にはぐいぐいと距離を詰められる。

それはモヤモヤしてしまいますね。。

 

きっと「心地よい距離感」って、人それぞれにあると思うんです。

でも、ご相談文を読んでいると、ぱんださんはいつも相手に寄り添ってあげているようにみえます。

自分は近づきたいのに、彼によかれと距離をとってみたり、
自分は離れたいのに、同僚の求める距離感を受け入れてしまったり。

パンダさんは、相手想いのとても優しい方なのだと思います。

でもそれって、相手には優しいけれど、自分に対しては…?

ぱんださんがおっしゃる通り「相手も自分も尊重しながら親密感を得る」ためにはどうしたらいいのでしょう。

 

        *****

 

どうしたら他人との適度な距離感がわかるようになるのでしょうか。

「人との距離感」は幼少の頃の人間関係によって決まると言われています。

ということは、そもそも「心地よいと感じる距離感」もひとりひとり違うもの。

それをお互いに持ち寄って調整しあって「適度な距離感」を測っていくのだと思うんです。

 

そこで、ぱんださんの距離感をみていくと、

自分が好きになった人(友人でも恋愛対象でも)とはいつでも連絡を取り合ってしょっちゅう会わないと、嫌われたんじゃないかと不安になります。

ぱんださんが安心を感じる「好きな人との距離感」は、”いつでも連絡を取り合ってしょっちゅう会っている状態”なんですね。

 

ということは、もしもお互いの「適切な距離感」がとれたとしても、くっついていない分、ぱんださんにとっては不安やさみしさを感じてしまうものかもしれません。

そして現状、過去の経験からそれが「近すぎる」状態だと認識し、対人関係では敢えて「自分の心地よい距離感」よりも離すことをしているわけで、それもそれで、ぱんださんにとっては不安や寂しさを感じるものではないでしょうか。

 

ぱんださんが幸せを感じる関係を築こうとした時、
この「幼少の頃に育んだ人との距離感」を変えていく必要がありそうです。

幼少の頃の人間関係ですから、おそらくはお母さんやご家族との関係にヒントがあるんじゃないかな。

ぴったりと一緒でないと不安になる・・ということは、例えば
・お母さん側が、過保護や過干渉だったり
・パンダさん側に、お母さんを「助けなきゃ」という意識が強かったり

と言ったことかなと思うのですが。。

ぱんださんはご自分のことを「依存だという自覚はある」とかかれているので、何かしらお心当たりがあるところかもしれませんね。

もしもカウンセリングの場でしたら、
その距離感がどうやって生まれたのかを探り、
「適切な距離感」を構築していきます。

 

        *****

 

初めて会った人と交流する時って、誰でも少しはドキドキするものですよね。

それは、相手の”人となり”がわからないから。

交流することでどんな人なのかわかってきて、自分の相手への好意とか、自分がこの人とどんな関係を築きたいかとか、このくらいの距離感がいいな、なんてことを意識したり、相手の心地よい距離感を察してみたり。

そうやってお互いがお互いの「心地のよい距離感」を探っていくものなのだと思います。

 

この距離感を探るために必要なのが「自分軸」

自分軸とは、「自分がどうありたいか」ということが基準になっている考え方や生き方のことをいい、上の文でいうところの下線部分にあたります。

「自分軸」がないとどうなるかというと、自分がどうしたいのかがわからなくなって、青字部分でいうところの「相手の心地よい距離感を察してみたり」という部分だけになってしまうんですね。

そうなると「お互いの距離感」ではなく「相手の距離感」でお付き合いすることになってしまいます。

それではいつまでも心が満たされない‥というのは、ぱんださんも感じているところではないでしょうか。

なのでやっぱり、お互いが幸せを感じる「win‐winな関係」を築くには、「自分軸」が不可欠なんです。

 

きっと今回ご相談くださったのは、
ぱんださんがこれまで持ち続けてきた「幼少の頃からの関係性」を手放すタイミングだからだと思うんです。

この機会に「大人同士の関係性」にシフトチェンジしていきたいですね!

 

        *****

 

では、「自分軸」を築いていくにはどうすればよいのでしょう?

そのために特に重要なのが「自分をよく知ること」です。

自分をよく知ることで「自分が自分のいちばんの理解者」となり、
感じたり考えたりすることを否定せずに受け止められるようになり、
さみしい時や悲しい時には、自分自身がその気持ちに寄り添って、なぐさめ、励まし、
何があっても自分を責めることなく、いちばんの味方である。
そんな自分を、自分の中に育てるんです。

これまでのぱんださんのマインドの中には、
「誰かと一緒にいることで安心を感じる関係性」がありましたね。

それを「自分と一緒にいることで安心を感じる関係性」に変えていくイメージです。

 

それができると、自分で「自分がどうしたいのか」がわかるようになります。
また、その気持ちを大切にしていこうという気持ちが育ちます。

これまでは「相手のことが優先」になってしまってたけど、
「私のことも大事」って思えたら、
自然と「お互いが気持ちのよい距離感を探ろうよ」って思えますよね。

 

自分軸が育つと、ご相談文にある「職場の同僚」への対応も変わってくるのではないかと思います。

これまでのぱんださんは、仕事中に延々と自分の話をしてくる同僚の話を、いつも聞かされる羽目になっていましたね。

話を聞いてあげないと「冷たい人だ」とか「私のこと嫌いになった?」などと言われ、断れなかったのだと思います。

でも、自分の心の中にある「話を聞くのは苦痛だ」という感覚を自覚し、自分を大切にする意思を持つぱんださんには、いくつもの選択肢がもてるようになるんです。

・「急ぎの仕事があるから」と言って断ろう。
・この間お断りしたから、今回は5分だけ話に付き合ってあげよう。
・直接は伝えにくいから、上司に相談しよう

ぱんださんは優しい方なので、もしかしたら同僚に対して「冷たくしちゃったかな」と感じてしまうかもしれませんね。

でも、もしお断りすることを選択したなら、それは「同僚に冷たくした」のではなく「自分に優しくしてあげた」んです。

そして、5分だけ話に付き合ってあげることを選択したなら、それは自分を犠牲にしたのではなく、同僚に愛を分けてあげたと受け止めみてください。
そして、自分をねぎらい、思いきり褒めてあげてくださいね。

そして、改めて考えてみてください。
ぱんださんにとって、同僚の方との「心地よい距離感」はどんな感じですか?

これを機に、自分なりの距離の取り方を、職場同僚の方を相手に練習してみるのもいいかもしれません。

 

        *****

 

ぱんださんに目指していただきたい優先順位は、「まずは、自分」です。

相手に与える愛情は、自分が満たされた上で、溢れた分を与えていくイメージです。

そして、自分に愛情が枯渇している時には、人からもらおうとせず、自分で満たしていきます。

それが「自分軸」の基本です。

さらに言うと、相手にももちろん「自分軸」があり、自分と相手には「境界線」があります。

自分の境界線内のことは基本的には自分でやり、できないことがあればお互いに助け合い、尊重しあうのが、自立した大人の関係性です。

理想論ではありますが、これからのぱんださんが目指すのは、こういう世界観かなと思っています。

 

相手と、自分を尊重しながら親密感を得ることができるのでしょうか。

ぱんださんはこれまで、親密になりたい相手に対して「相手によかれ」と思う距離感をとってきましたね。

自分の価値観を相手に押し付けず「控える」という方法は、相手を大切に想うぱんださんなりの思いやりでした。

距離感を詰めていくことが、ぱんださんにとって、相手から安心感を「与えてもらう」行為だったからですよね。

でも、自分軸をもち、自分で自分を満たせるようになったぱんださんには、もう安心感を「与えてもらう」必要はなくなるはず。

そしてそこに、相手との親密感を育てるヒントもあるのではないかと思っています。

 

それは、これまでの「相手から与えてもらう」スタイルから、「自分が相手に与える」スタイルにシフトしていくことです。

与えるといっても、いろいろなカタチがありますよね。

例えば、必要なモノを与えることもそうだし、思いやること、一緒にいること、応援すること、信じること、魅力を伝えること、などなど。

また相手がどんなカタチの「与える」を好むかも、相手によって変わってくると思います。

でも、これまでもずっと相手に思いやりの気持ちを注いできたぱんださんなので、「与える意識」にさえシフトできれば、これらのことは自然にみえてくることではないかなと思っています。

ただし、くれぐれも「与える」が「犠牲」にならないように気を付けてくださいね!

「まずは、自分」を幸せにして、その溢れた部分を相手に与えるイメージです。

 

抽象的でなかなか掴みづらいところもあったかもしれませんが、
困った時にはカウンセラーを頼ってみてくださいね!

 

ぱんださんが新しい関係性のなかで、大好きな人と親密感を深めていけますように。

そして、ぱんださんの大切な気持ちが少しづつでも伝わりますよう応援しております!

 

 

心理カウンセラー リエコ

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