感情を無視して「べき・ねば」で頑張ってきたが、物事がうまくまわらない[ココロノマルシェ]
心理カウンセラーのリエコです。
今日は『ココロノマルシェ』に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。
根本裕幸カウンセラーの「お弟子さん制度」を卒業したカウンセラーが、寄せられたご相談にお答えする、お悩み掲示板です。
+++【ご相談】++++++++++++++++++
嘘つきな自分
もともと怠け者でやりたいこともなく、親の過干渉のもと、のんびりダラダラ生きてきました。
失敗を繰り返し、人からも良くも悪くも叱咤激励され、このままじゃいけないと、感情を無視してやるべき、ねばで、仕事をしてきましたが、どれも続きません。
自分の居場所ないなーとか、この仕事のこれがいやだ、あの人のここが耐えられない、派遣先の仕事を切られる、パワハラに合う、陰湿ないじめをされる。。。
兄と弟がいますがどちらも障害持ちで、私自身も自分に自信もててないし、むしろ今もずっと実家にいる兄弟が羨ましく思うこともあります。
自分にはまだまだ出来ることもあるだろうし、やりたいこと(特に遊びや趣味などほプライベートの充実、恋愛も)も沢山あるのに、それらを楽しむのに必要な土台となるお金を稼ぐ仕事で躓いています。
人として成長し、良い人間関係を作ることが仕事でも重要だとわかっているのですが、自分のやることに必死で周りから変な目で見られている気がしています。
パワハラのような嫌な感じがする職場からは早々に退職してざまあみろという気持ちになります。その後、自分の器の小ささに悲しくなります。結局、乗り越えられなかった自分を積み重ね、どんどん悪い方向に進んでいる気がしてなりません。
目の前の状況をどこまで頑張るのか、目の前に人は自分の鏡だから私の在り方、仕事のやり方を変化させる必要があるのか、相談出来たら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
from マッチ棒さん
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マッチ棒さん、はじめまして!
心理カウンセラーのリエコです。
目の前のことを一生懸命頑張っているのに、
合う仕事に出会えなかったり、
人間関係のトラブルに見舞われたり。
それはしんどいですね。。
ご相談文からは、
仕事や周りの人たちに不快感を抱きつつも、
「そんなことになってしまうのは自分のせい」と
どこか自分を責めていらっしゃる様子も感じられます。
「生活の土台となる安定的な仕事がなかなか続かない」
という”表面的なお悩み”の奥には、
「物事が思う通りにすすまない”生きづらさ”から解放されたい!」
という想いがあるのかなと感じたのですが、いかがでしょうか?
今回マルシェにご相談くださったのは、
今が「現状を変えるタイミング」だからなのだと思います。
マッチ棒さんの毎日が今よりもっと心地よくなるために。
そして、今よりもっと自分らしく輝くために。
現状を変えていくには、どんなことが必要なのでしょう?
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ご相談文を読むと、
「このままじゃいけない」と頑張って、
目の前の状況に立ち向かっている様子が伝わってきます。
そして、それがうまくまわらなくて
自分に自信が持てなくなっていることや、
乗り越えられなかった自分を積み重ね、
「どんどん悪い方向に向かっている‥」と重たい気持ちになっていることも。
マッチ棒さんの抱えている「生きづらさ」のようなもの。
ご相談文に詳細がないので私見もはいるのですが、
もしかしたらその背景には、ご家族への想いがあるのではないかなと思いました。
ご相談文には、マッチ棒さんが障害を持ったお兄さん&弟さんがいらっしゃると書かれていますが、そのことが”自分がちゃんとしなければ”といったプレッシャーになっていることはありませんか?
また、その環境は幼い頃から続いていると思うのですが、
障害をもつ2人の兄弟を支えるお母さんに、
マッチ棒さんは甘えることができたのでしょうか?
お母さんに世話をかけちゃいけない、
煩わせないようにしなければならない、
そんな風に感じていたことはありませんでしたか?
もしもカウンセリングの場でしたら、
ご自分以外に”障害を持つ2人の子供”を育てるご両親のもと、
マッチ棒さんがどんな子供時代を過ごされたのかをうかがってみたいです。
もともと怠け者でやりたいこともなく、親の過干渉のもと、のんびりダラダラ生きてきました。
そんな風に書かれていますが、
もしかしたらマッチ棒さんは、そうやって家族に寄り添ってきた方なのではないかと思うのです。
「親の過干渉」とありますが、
ご両親がその環境下で3人の子供のケアをしようとしたとき、
マッチ棒さんを「過干渉」というかたちでコントロールすることでしか難しかったのかもしれません。
ご相談文から感じられる感性の豊かさからして、
マッチ棒さんはそんな家族の空気感を察っしていたのではないかな。
そして、ご家族のバランスをとるために、
”自分らしさ”を封印して、
家族に自分を沿わせることをしてきたのではないでしょうか。
もしもお心当たりがあるなら、
それが小さいマッチ棒さんにできる精一杯の愛し方であり、
家族を守る方法だったのかもしれません。
失敗を繰り返し、人からも良くも悪くも叱咤激励され、このままじゃいけないと、感情を無視してやるべき、ねばで、仕事をしてきましたが、どれも続きません。
マッチ棒さんは、
ご自分がいちばんよいと思う方法で、一生懸命に頑張ったのですよね。
もしかしたら「感情を無視してやるべき、ねばで‥」という乗り越え方は、子供の頃からご家族の中で発揮してきたやり方なのかもしれません。
感性の豊かな人って、周りの環境に自分を適応させるために、感情に蓋をして自分を守ることがあります。
そうしなければならないほど、その現状をしんどく感じているからです。
感情に蓋をすることで、感情が揺さぶられることなく、目の前の状況をスムーズに前にすすめることができますもんね。
そして、そのやり方がうまくまわると、それが「成功法則」となって、その後の人生でも同じやり方を繰り返していくんです。
でも、現状、そのやり方では物事をうまくまわせなくなっているのなら、この機会に、新しいやり方にシフトしていきませんか?
新しいやり方とは、「感情に蓋をせず、自分に寄り添うこと」。
感情に蓋をして「自分に感情を感じなくさせる」のではないく、
「感情を感じている自分」に寄り添うのです。
では、「自分に寄り添う」ってどういうことなのでしょう?
*****
ご相談文に「目の前の人は自分の鏡だから」と書いてくださっていますね。
マッチ棒さんもご存じの通り、
「人は自分を映す鏡」であり、
「外側の世界は、自分の内側の世界を反映している」ともいいます。
そういう視点でみるなら、
「パワハラや陰湿ないじめ」は、「自分が自分に攻撃をしたりいじめていることを、外側の世界に反映している」とみることができるし、
「周りから変な目で見られている気がしている」というのは、「自分が自分に違和感を感じている」とみることができます。
この「自分への違和感」とは、「自分の感情を無視していること」や「自分らしさを封印していること」と言い換えると理解しやすいかもしれません。
「自分に寄り添う」とは、
自分の中に、自分の一番の味方を作ることです。
良いことがあっても悪いことがあっても、
いつも自分が自分のそばにいて、
慰めてくれたり、応援してくれたり、一緒に喜んでくれたり。
そんな自分を「自分の中」に育てることです。
ご相談文を読んでいると、
今のマッチ棒さんの心の中には、
自分を「責める」自分はいても、
自分を「ねぎらう」自分がいないように見えるのですが、
自分の中に「自分の味方」がいると、
つい自分を否定してしまうことがあっても、
「そんなことないよ!」と打ち消してくれる存在ができるんです。
それが「自分に寄り添う」ことにつながっていきます。
そして、自分に寄り添えるようになると、
自分を否定することが減るので、
「自分らしさ」が育ってきます。
そうやって、
毎日の生活の中に
少しでもホッとする時間や優しい気持ちを増やしていくこと。
優しい気持ちを、自分にも、周りの人にも、向けていくこと。
まずはそこから始めてみるのはいかがでしょうか?
ずっと携えてきた「やり方」を変えて、
「自分との心地よい関係」を築くことができ、
その姿を「人が自分を映す鏡」となって見せてくれたり、
「自分の内側の世界が、外側の世界に反映」されたとき、
マッチ棒さんの前に広がる風景は、
なにかしら変わっていくのではないかなと思っています。
*****
とはいえ、社会生活において「組織」で仕事をするとなると、
「自分らしく」だけでは生きていけない状況も多いですよね。
だって、組織がうまくまわるためには、みんなが強調し合う側面も必要だから。
みんなが「自分らしさ」を全開にすると、統制がとれなくなるのが組織だからです。
そのバランスは自分なりに取っていく必要がありますが、
だからこそ、
頑張っている自分をねぎらってあげたり、
自分に癒しや心地よさを与えてあげられる「自分」を、
自分の中に育てていくことが大事になってくるのだと思います。
マッチ棒さんの中に「自分らしさ」が育ってくると、
「やりたいこと」もみえてくるはず。
そうなった時に初めて、
「私は仕事とどう向き合っていきたいのか」という考え方もできてくると思います。
・私はどんなスタイルで仕事をしたいのだろう
・自分がやってみたい仕事はどんなことなんだろう
・仕事を「ライフワーク」にしたいのか?
・仕事は「自分の好きな事をするための資金調達と割り切る」のか?
そんなことを1つ1つ吟味して、自分らしい「仕事との付き合い方」を見つけていけるといいですね。
新しいマインドを自分の中に育てるのですから、
トライ&エラーを繰り返していくこともあると思いますし、
難しいく感じたり、上手くいかないこともあると思いますが、
ひとりで難しければカウンセラーを頼ってくださいね。
マッチ棒さんの毎日が楽しくなりますよう、応援しております!
心理カウンセラー リエコ