(2021.12 改訂)
心理カウンセラーのリエコです。
8月のある日。
私はベットにごろんと横になって、ぼーっと天井を眺めていました。
体のだるさとは違った「虚無感」のようなモヤモヤに、すっぽりと包まれながら。
無気力でポカーンとなって、やる気がおきない。
楽しいことがぜんぜん思い浮かばない。
坂道をころげ落ちていく感覚・・でも抗う気力がわかない。
心の中が、色彩を失っている感覚。
自分がどうなってしまっているのか、全くわかりませんでした。
これまではどんなにダルくても「えいっ」と気合を入れて頑張れたのに、ぜんぜん力が入らないのです。
この時は自覚がなかったけど、
私は「燃え尽き」と呼ばれる状態に陥っていたようでした。
私の心はどうなってしまったんだろう?
どうしたら元気を取り戻せるんだろう?
不安でいっぱいになると「なにもしない」ではいられません。
そして、もがけばもがくほど迷走し、
もがくほどに「自己否定」も強まり、
さらに「極の状態(デッドゾーン)」へ自分を追い込んでいったのでした。
そんな試行錯誤の日々は、そのあと半年ほど続いて、
ようやく自分を俯瞰できるようになってきた今日この頃。
「自分を俯瞰できる」とは、「問題にすっぽりと包まれている状態」から抜け出せたということ。問題軸から自分軸を取り戻せたしるしです。
そして、今。
私は半年前とは全く違う景色の中で暮らしています。
いろいろなケースがあると思いますが、
今日は、私が経験した「デッドゾーン期」「末期状態からの抜け出し方」について、書いてみたいと思います。
目標に向かって何かに打ち込んでいく中で、燃え尽きたり行き詰ったりすること、頑張り屋さんには多いのではないでしょうか?
それが「極」に達した状態が、「デッドゾーン」です。
師匠の根本さんのブログには、こんな風に書かれています。
【用語解説】デットゾーン
デッドゾーンとはその名の通り心が死んだような状態のことで、「何も感じられない」「燃え尽きた」「心が動かない」「完全に諦めてる」と言った言葉で表現されるものです。
デッドゾーンの存在は知っていましたが、まさか自分が陥るとは!
経験したことのない感覚に襲われた私は、とても戸惑いました。
そんな状態に陥った原因も、未だに心当たりがありません。
ただ「日常のいろいろ」を淡々とこなしていただけだったんです。
もしかしたら、気づかないうちに、小さなストレスが積もり積もっていたのかもしれませんね。
それらを、持ち前の「我慢強さ」でナチュラルにスルーし、ブルドーザーみたいに前に進んでいたのかも。。
心理学でよく例えられる「茹でガエル」みたいに、
私も気づいた時には茹で上がっていたのかもしれません。
「茹でガエル」:カエルが浸かっている水が、じわじわと温度を上げていき、それがいつしか熱湯になって、気付いた時には茹でガエルになっていた・・という状態の比喩。
私は一体どうなっちゃったんだろう?
どうしたらいいのかわからない。。
そうなった時、「自力でなんとかする」機能が内蔵されている私は、どうにか自分を救う方法を考えました。
元気がでること、ないかな。
心が潤うことって何だろう。
固まってしまったココロを、どうにか救わなければ。。
でも、不安に駆られた時って、思考はどんどんネガティブな方向に向かいます。
問題にすっぽりと包まれたそのアタマでどれだけ考えても、問題解決につながる「道」は見つかりようがないのです。
なので、もしもあの時の自分に声を掛けてあげられるなら、私はこんな風に伝えたい。
なにも抗わず、難しいことを考えず、「思考の声」を聞き流しなさい。
”今は何もできないんだから仕方がない”と諦めて、ひたすら自分を甘やかし、好きな事に没頭しなさい、と。
*****
心の中の不安をかきたてるのは、だいたいにおいて「思考」です。
未来の心配事も、過去の後悔も、いま目の前に起きていることではないのに、
頭(思考)が勝手に思いめぐらせて自分に囁いてくるから、
その声に「心」が掻き立てられてしまうんです。
そして、
動けない自分に自己嫌悪したり、
無気力な自分を「怠惰だ」と感じたり、
何もできず時間ばかりが過ぎていくことに無力感を感じたり・・と、
自分を疲弊させていきます。
私が「思考の声」から離れる方法として効果を感じられたのは、こんなことでした。
①五感に集中する
「感覚」と「思考」って同時には働けないんです。
五感に集中する、という瞑想もあるくらいなんですよ!
味わう事、香りを嗅ぐ事、美しいものを見る事、好きな音楽を聴く事、など。
②体を動かす。
体感に集中して体を動かします。①と同様の効果があります。
散歩、ストレッチ、など。
③韓流ドラマを観る
実は、私にいちばん効いたのは「韓流ドラマ」でした。稚拙でお恥ずかしい!
韓流ドラマは視聴者をドラマの世界に引き込むのがとても上手で、感情もたくさん揺さぶってくれるので、キュンとウキウキの世界に簡単にトリップできます。
それに、どっぷりと浸ることで、思考が入り込む「隙」を埋めてくれるんです。
あの頃の私は、ちょっとだけ「韓流ドラマ依存症」だったかも笑
そんな日々を1ヶ月くらい過ごしていたら、
韓流ドラマが「依存するもの」から「楽しむもの」に変わっていました。
そして、時間をかけてゆっくりと少しづつ、無気力な状態が溶けていきました。
末期状態を脱したんです。
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デットゾーンは、「これまでと同じやり方では、この先には進めないよ」というメッセージ。
私にとっての「これまでのやり方」とは、
私の中にあまりにも自然に存在していた「自覚のない観念」でした。
それを、このあと数か月かけて知っていくことになります。
しんどくて不安な日々だったど、
振り返ってみると「デッドゾーン」は、
これからの私がもっと自由になるための、
とても重要な節目だったなぁと思っています。
次の記事では、「デッドゾーンを抜け出す」までに私がやってきたことを書いてみたいと思います。
心理カウンセラー リエコ